ローマ時代のコロッセオでは見せ物として剣闘士が命をかけた戦いをしていましたが、最近の研究でこの剣闘士達が現代で言うスポーツドリンクのような特別な飲み物を摂取していたことが分かりました。

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1993年にトルコで発見された剣闘士の墓から、2−3世紀に死亡したとされる68人の剣闘士の骨が発見されました。

墓からは剣闘の様子が描かれた墓石も発見され、骨の大きさなどから20−30歳の男性が最も多く、骨には戦いでついたであろう傷も発見されています。剣闘士のほとんどが受刑者や奴隷で、死後も埋葬されることはなかったそうですが、剣闘士養成所で死体を引き取り埋葬したケースもあったそうです。 

ウィーン医科大学ファビアン・カンツ教授の研究チームは骨に含まれる炭素、硫黄、窒素の比率を調べ、剣闘士の骨は窒素比率が非常に低い状態であることが分かりました。これは現代のダイエットに近い状態で豆類を主に食べていた証拠だそうです。

『骨の成分に化学的な変化が見えるまでには何年もかかるため、剣闘士という職業を考えれば矛盾もあるかもしれないが、それでも彼等が特別な何かを食べていた可能性はある』とファビアン・カンツ教授は話します。

研究チームはストロンチウムとカルシウムの比率も調べ、剣闘士の骨は一般的なローマ市民の2倍上のストロンチウムとカルシウムを含んでいることを発見しました。これは剣闘士が剣闘後(激しい運動の後)に効果的に大量の水分を摂取していたことを証拠づけるもので、発見されているテキストから水に酢と灰を混ぜた特別なドリンクだったことが分かりました。

『灰はローマ時代の料理にはフレーバーとしてよく使用され、医療にも用いられたことが分かっており、多くのストロンチウムを含んでいます。彼等にはコーヒーやお茶の文化がなかったが、ワインの文化がありました。上質な酢と水を混ぜたドリンクは現在のレモネードのような感じだったのかも知れません』(ファビアン・カンツ / Fabian Kanz /ウィーン医科大学)

via : livescience.com